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>「部長、歩けますか?つかまって下さい」
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>杉浦が村上の腕をつかみ、エレベーターから出す。
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>「杉浦、なんでここに」
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>「速水さんに聞きました。部長を待つって言ったら、住所を教えるから先に行けと。」
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>杉浦もパニック状態だったので先に出したのだろう。
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>何故速水が村上の住所を知っているのかは謎だったが。
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>とりあえず杉浦の肩を借り、玄関を開ける。
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>部下のしかも女性を家に上げるのには抵抗があったが、緊急事態だ。
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>村上はあきらめて杉浦と共にリビングに入った。
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>黒を基調としたリビングと寝室だけのマンションだが、各部屋の大きさはかなりのものだった。
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>広々としたスペースと窓の多さで選んだ家だったが、一人暮らしだと家具も少なく、更に広く感じる。
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>村上と杉浦はソファーに座り、ため息をついた。
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>「すまんな。さっきまでは歩けてたんだが」
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>また熱っぽくて、息があがってきたようだった。
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>「いえ…私が消していなかったのが悪いんです。」
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>突然杉浦がポケットからカッターナイフを取り出した。
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