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>瞬く間に、村上の傷口が血でおおわれる。
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>それと同時に甘い香りが消え、動悸や息切れめまいなどの症状も落ち着いてきた。
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>ぼんやり痺れていたような感覚も薄れていくのがわかる。
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>「もう大丈夫。」
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>そう言う杉浦の方が顔色が悪く、倒れそうに見えた。
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>杉浦が村上の手をハンカチで拭った。
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>「嘘だろう…?」
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>村上の傷口は、跡形もなくなっていた。
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>確かに2つ、杉浦に噛まれた跡があったのに、全く残っていない。
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