壬生浪士組

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「こんな子供に持たせる刀など打ったことがない、他を当たれ」 「この町にお前しか女鍛冶師はいねぇんだよ;」 「しかし土方、こんな子供に刀など必要無かろう」 土方は呆れるように “いるから着てんだよ” と一言 土方は操に“お前もなんか言え”と言った だが、操がいったのは お願いなどではなかった 「言葉で、語る術を知らない者を職人という、」 鍛冶師は笑いながら 「では、職人は語らない奴だと?」 「ゆえに職人は、腕で語る」 土方は満足したようにニンマリと笑った 鍛冶師は 「・・・気に入った、操、どんな刀がいい?」 操は笑顔で 「・・あなたの魂を打ち込んだ刀」 「まかせときな!土方、みっかごの夕時に来い!」 土方は“じゅあな” といって店をでた 帰り道、 土方は操に 「職人が腕で語るなら、俺達はどうやって語るんだ?」 操は“そんなの簡単”と 「刀を使うものは、刀に打たれた魂に答えるために魂で刀を握り、魂で振り落とす、 侍は強さで語る」 土方は“ハハハ”と豪快に笑うと 「明日から覚悟しとけよ、クソガキ。 俺はお前を十分に使わせてもらう」 「使い物になればの話でしょう」 操は 笑いながらスキップを踏んだ 土方は (子供みたいなとこもあるんだな・・・)  
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