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朝、まだ重い瞼を擦りながら、村上 優太はカーテンを開ける。
「……雨、降りそうだな……」
どんよりとした灰色の雲が、空全体を覆っていた。
時計を見ると、針は11時を差している。
少し寝過ぎたか……
今日は母さんの入院費を払いに行かなければならない。
俺は汗でベタついた体をシャワーで洗い、ジーンズに黒い半袖というラフな格好に着替えた。
そしてタンスから札束を2つ取り出し、メッセンジャーバッグの奥に詰め、壁に掛けてある帽子を深く被り、家を出た。
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