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「たしかに。なんで死のうと思ったんかな……」
彼は言葉を訂正し、首をひねった。
「なんでだろうな?」
会話は続いたが、未來の頭の中では、「なんで死んだのか」という疑問がぐるぐると渦になって回っていた。最近きく自殺の原因は、学校での「いじめ」や社会的「ストレス」。家庭内事情など、たくさんあるのだろうが、未來がよく聞くのはその類だった。
頭を抱え悩むほどではないが、疑問は更に謎を呼ぶ。考えれば考えるほど、それは深まるばかりである。
その考えにピリオドを打ったのは、八時三十五分のチャイムだった。同時に担任が教室に入ってきて、起立と号令がかかる。
「君たちは、三年生になってまだまもない。が、しっかりと三年生の自覚を持つように。以上!」
担任がそう言うと生徒たちは口々に話し始める。未來も例外ではない。友人の出雲時音(いずもときね)が数学の宿題を持って話しかけてきた。
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