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「『好き。大好き。愛してる。恋してる。あたしの隣を貴方の物にして。好きになって。大好きになって。愛して。恋して。貴方の隣をあたしの物にさせて』」
記憶に被さるように、記憶そのままの声で遙が言う。
――その言葉に、暑さなんてどうでもよくなった。
「今考えるとすっごい告白だなー。さっすがあたし」
自慢げに高らかに言う。
爽やかな……いつも俺に向けてた笑顔が頭に浮かぶ。
「ホントは『好きです、付き合って下さいっ』程度に収めるつもりだったんだよね。でも一つ言い始めたら止まんなくなっちゃって」
「……普通逆だろ」
ゆっくりと、呆れるように俺は言う。
遙に対していつも作ってた、これも同じく呆れた表情と共に。
「……やっといつもの千尋ちゃんだ」
驚いたように一瞬言葉を切り、やがて優しい声で遙は言った。
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