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「あんな映画みたいな、あんな馬鹿みたいな告白、忘れられるわけねーだろ、バーカ」
「馬鹿って言った方が馬鹿なんだよ、ばぁっか」
「……アホ」
「うっわ千尋ちゃん酷っ!ここで子供みたいに愉快な言い合いをしてようやく打ち解けた~的な展開が待ってるのに!アホって言った人もアホなのかわからないじゃん!」
「ンなもん」遮るように、力強く、言う。「……必要ねーだろ」
「……えへへ」
酷く幼い口ぶりで遙が笑う。
俺は我ながらこういう会話が苦手だが、たまに、本当にごくたまに愛を囁けば、いつも遙はこう笑ってた。
好きだの愛してるだのいつも言ってる癖に、言われるのには酷く弱い。
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