恋愛とはなにか。私は言う。それは非常に恥ずかしいものである。

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「………………」 「で、あたしの死体グロいことになってなかった?死体ナントカ技術で綺麗にされてた?」 「………………っ」 思い出す。 安置室に置かれた、お約束のように顔に布を置かれた遙の亡骸。 それに被さるように、いつの日かに遙が言った言葉。 「あたしさー、死ぬなら凍死がいいなー」 「何だよ突然」 「凍死体が一番綺麗だって言うじゃん?これ、すーくん情報」 「誰だよすーくんて」 「オトモダチ」 「………………」 「あ、妬いてる?妬み?嫉み?略して嫉妬?」 「違ぇよ馬鹿」 「じゃあ千尋ちゃんは刺殺でヨロシク」 「『じゃあ』の接続詞可笑しいだろ。つーかなんだよそれ。殺されるのか?」 「うん。あたしにね」 「…………」 「嘘。冗談。冗句だよ。千尋ちゃん。まったく冗談通じないなー千尋ちゃんは。みんなにからかわれてるでしょ?絶対。確実。間違いなく。つーかあたしが全力でからかう」 「……馬鹿か」 「千尋ちゃんもね。人類みんな馬鹿なのよん」
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