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「グッドイブニーング」
「……え?」
しかし出鼻を、くじかれた。
「やっほー、ちーちゃんちーちんちーぱっぱ。貴方の愛しのはーちゃんでぇす」
軽すぎる程に軽い口調。どこか幼い、軽薄な、浅薄なな声。
十七年間、いつも隣に在った声。
……間違いない。俺がこの声を、間違えるはずがない。
「は、……はる、か?」
「おーいえーす。まいねーむいずハルーカ・タカミーネ~」
高峰遙。タカミネハルカ。
俺の幼馴染。俺の恋人。俺の――
違う。そんな、そんな言葉で表せるものじゃない。
俺に。俺にとって遙は――
「な、……な、んで……」
恐怖じゃない。俺が遙に対して、そんな感情を抱くわけがない。
ただの純粋な――驚き。それだけだ。
それだけ、と表せるような、そんなレベルのものじゃないけど。
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