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藤田さん夫婦は気持ちよく俺達を迎えてくれた
『ご無沙汰してます。アズキ挨拶は?』
『おじさん、おばさんこんにちは。妹のアズキです(笑)』
『はじめまして。お兄ちゃんとどこかいってきたのかい?』
『動物園です』アズキはいつもの笑顔で答えた
『今、毎日障害者センターに通わせて職業訓練受けてるんですよ。なんとか自立まで行かなくても、働けるようになれば自信持つと思って…』
『まあそんなに焦りなさんな…アズキちゃんにはゆっくりなリズムの生活させてあげないと』
確かに俺は焦り過ぎてるのかもしれない。でもあの店の事を少しでも早く忘れて欲しかったのだ
その夜俺は絵を描いてるアズキに聞いてみた
『アズキあのお店行ってた時な、お店終わってからお客さんにどこかに連れて行かれたことあるか?』
『一回だけある…おじさんがミルクちゃんまだ下手だから、こっそり教えてあげるって、すっごい綺麗なピカピカした部屋に連れていかれたの
でもおじさんアズキのこと縛るの…大事なとこに棒みたいなの入れてきて変な事いっぱいされた
言う事きかないとお店クビになるからねって
次の日にお姉さんと店長さんにいったらお店終わってお客さんについていったらダメって叱られた…でも眼鏡のお兄さんは近くのぬいぐるみとる所の人で、アズキしたくてしてるとき教えてもらったの
だからおじさんだけだよ、知らないでついていったの』
やっぱりこの子がこんな子だとわかって遊びやがったんだ…
『ゴム付けてくれなかったり、乱暴な人きたら押すボタンあったの。アズキ何回も押した事あったよ。お姉さんや店長の言う事守ったよ(笑)』
天使のような笑顔でアズキは話す。いい店だったんだな…でももう普通の昼の世界に戻ろう、お前まだ17なんだから…
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