絶望

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決まった時間に戸締まりをして、玄関を出る。 鬱陶しい朝日に目を細めながらも ゆったりとした足取りで学校を目指す。 バスはおろか、自転車を使う距離でもない為 一歩一歩踏みしめて歩く僕に 毎日心待ちにしている声がとんだ。 「おはよう!零斗!」 僕の名前を呼んだのは、隣に住む幼なじみの亜紀姉。 高校は違えど、二つ上の高校三年生だ。 「…お、おはよう。」 毎日発声練習までしているというのに、結局どもってしまう僕。 振り返り止まった足は、いつものように亜紀姉の到着を待っている。
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