小さな少女と謎な青年

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「おじさん、きゅうりと大根とジャガイモください」 「はいよ、いつも一人で買い物偉いねー、雪見ちゃん」 「えへへ。お母さんお仕事でいそがしいから。だから雪見がお母さんのかわりにお買い物する」 「優しいね。よし、おまけで雪見ちゃんが好きなジャガイモ追加しちゃうぞ」 「わぁ~!おじさんありがとう」 わたしの名前は冬野雪見。ピッカピカの小学一年生。 早くもクラスメートから『雪見だいふく』とあだ名がある。 あだ名っていいね。 なんか親しくなった証みたい!でも男の子が笑いながら一々言うのだけが不思議。 『雪見だいふく』て名前面白くもないし、むしろ美味しそうな名前だよね。 わたし『雪見だいふく』のアイス好きー モチモチしてて中にバニラアイスがたっぷり入ってて大好き。一度一口でたべてみようかなと挑戦したらママに怒られてしまった。 ママはわたしを一人で育ててくれた。パパは……… 「カエルがなくからかーえろ!ゲロゲロ」 カエルがなく季節じゃないのになんとなく歌ってしまう。 違う。話題を変えたいだけ。 わたしはパパが嫌い。パパはママを悲しませるから。 パパは死んでもいないし離婚もしてない。だけどわたしにとってはどうでもよくて、ママにとってはどうでもなくて… パパは………犬のお巡りさんにつかまったの。 悪い事をしたの。
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