藤の花言葉

惚れてしまいました。

教室に着き、生徒達を座らせると、生徒達はどことなく緊張している。

やっぱ新入生は初々しいなぁ。こないだまで中学生だったんだもんなぁ。

毎年同じことを心の中で呟く。

「とりあえず、入学おめでとう。今日からお前らはこの学校の生徒だ。受験が終わったからって勉強を怠るなよ？」

と、言ってから黒板に自分の名前を書き、自己紹介を始める。

「えー、これから、一年間このクラスを担任する笹本 藤【ｻｻﾓﾄ ﾌｼﾞ】だ。担当教科は生物。写真部の顧問をしている。よろしく。」

女子達が『あたし入部するー!!』やら何やら騒がしくなった。

毎年同じ自己紹介だったが今年は生徒の反応が違う…変だ…

すると、クラスの中心になりそうな、活発そうな男子が立ち上がった。

「センセー!!自己紹介じゃなくて部活勧誘してんじゃん!!」

教室中がドッと沸いた。

いやいや、どこが部活勧誘？？

それより一体何が面白いんだ？

箸が転げただけでも笑えるお年頃なんだろう。

と、いうことにしておいた。