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「先生って彼女いるの?」
「そのメガネどこで買ったんですか?」
「背高いね?何㎝?180?」
俺を質問攻めにしてくる。
どれから答えればいいのか、それは答えなければいけないのか、どうすればここから逃げ出せるのかわからない。
他人が囲まれているのを助けた事はあったが自分が囲まれると何だかどうしていいのかわからない。
去年までいた同僚を思い出して少し尊敬してしまう。
特に凄いと思ったのは一番モテていた2コ下の藤野 桜次郎【フジノ オウジロウ】だ。
奴はいつもニコニコしていて爽やかな笑顔をふりまいていた。
故に大勢の女子生徒に囲まれる。
なのに、軽くあしらい簡単にそこから抜け出していた。
何なんだそのスマートな身のこなしは!?久しぶりに飲みに誘ってその術を伝授してもらわねば!!
……俺、年上なのに…。
自分が情けなくなった。
だって、こんなの初めてなんだもんっ!!
俺、気持ち悪っ!!もんって何だよ…もんって……
たまに告白はされてもこんな風に囲まれたのは人生初だった。
困惑していると彼女達が言った。
「キャー!!先生困ってる~☆かーわーいーいー♥」
あぁ…もうヤダ……
「あぁ…はいはい、俺は急いでる。お前らみたいに暇じゃないんだ。」
と、睨みつけながら言うと彼女らはブーブー言いながらも楽しげだ。そんな彼女達をかきわけ教室から出ようとした。
ふと、さっきの女子とは別な感じの視線を感じた。
そっちを振り返ると花咲が俺を見て馬鹿にしたような目で見ながら笑っていた。
クッソー!!女子高生なんて嫌いだ!!!!
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