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「山田さん、君の担当班は今日からしばらくこの会社で掃除してくれる?」
1人の小太りな男が一枚の紙と地図を手渡してきた。
「…分かりました社長。」
そう、小太りなこの男は、私が働いているサービス会社の社長である。
そして私は社員の山田華(やまだはな)21歳。
主に掃除会社といったところだが、その他にも害虫駆除や引っ越し手伝い等やっており、いわば何でも屋だ。
私は掃除しか担当してないが、15歳からこの会社で働いており、かなり社長にはお世話になっている。
私は、4人姉妹の一番上で、病気の母と5人で暮らしている。
父は一番下の妹が生まれてすぐ、事故で他界した。
多額の借金だけを残して……。
おかげで家は「大」が何個つくか解らないくらいの貧乏だ。
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