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「貴様に教えてやる理由はないな…………小僧」
「なっ?!」
カインはスピネルから視線をレインへと移した。
「どうする…………?魔狼」
「グルルルルルッ」
カインとレインは視線を外す事なく相手を見る。
しかし、レインは威嚇を止め紫月の横に移動した。
いつでも攻撃出来る様に。
それを見ていたカインは呟いて、紫月の所まで来た。
「……いい判断だ」
紫月の横に屈み仰向けにする。
そして頭を膝に乗せ、額に手を当て何やら呪文を紡ぐ。
すると、カインの手から淡い光が出てきて、紫月の身体を覆う。
(まさか、魔力がまだ身体に馴染んでないのに、魔法を使うとは…………。
魔力を暴走させる程使うなんて、怨むぞヴェルフィルム!)
カインはほんの一瞬哀しそうな顔をしたが、すぐに元に戻った。
そんなカインを見つめるスピネル。
(何を考えてやがる?
通常魔族が人間を、助けるなんて有り得ねぇ!!
使い魔ならまだしも…………あいつは異世界の人間。それは有り得ねぇ…………)
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