†第一報告書†

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俺の名前は望月 夕緋(ユウヒ)。   ここ、瑯月(ロウヅキ)学園の二年一組に所属している。   いらない情報かもしれないが、一応俺の身分紹介をしておく。 身長173センチの黒髪。 顔は……まだ、一度も告白されたことは無いし、ラブレターも貰ったことはない。 故に、一応顔は不細工ではないと自負しているが、あまりかっこよくはないのだろう。 家族構成は、大道芸人をしている父親と、家事全般がまったく出来ない、元国体選手の現在小説家(どうしてなったのか、未だにわからん)の母親。 そして、自己主張を一切しない、おしとやか過ぎる妹が一人いる。 と、いうわけで近辺紹介は終わり。 次はこの学園の説明をしておく(一応大事だからね)。 この瑯月学園は小中高一貫校で、全校生徒数約4000人の超マンモス校で、総敷地面積が東京ドーム十四個分(らしい)。 一応私立校なので、そこそこ頭が良くないと入試では入れない。 前記の通り、敷地面積がバカデカイのには理由があり、それは全国各地から選りすぐりのエリートを特待生として迎え入れている為、設備が完璧なまでに整えられているからだ。 とりあえず、ここら辺で学園の説明はいいだろう。 結局のところ、俺の置かれている環境はまったくと言っていいほど、"普通"じゃない。 だが、それでも俺は何目立つことなく暮らしている。 少なくとも運動会でヒーローになったことなどない(いい意味でも悪い意味でも)。 まぁそんなわけで、俺は"普通"だということを頭に焼き付け(重要)、俺が彼女に出会った頃の話しをしたいと思う――    †  
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