†第二報告書†

31/32
1495人が本棚に入れています
本棚に追加
/100ページ
    あれれ?   その話って、さっき会長が言ってたことと似てんぞ?   俺って、そのことひのきに話してないよな?     「それはないだろ……」   多分、ひのきが言ったことはたまたまだと思うけど、そう言われると……なんだかなぁ。     「いや、ある! ……ちくしょー……会長もゆー君を狙ってるのか……」   ひのきは『ある!』と大声で叫んだ後、なにやらボソボソ呟きだした。     「まぁいいや。ひのきは多分、もう機嫌は直ったみたいだから、今日のお詫びになんか言うこと聞いてやるよ」   俺がそう言うと、バッとひのきはこっちを向いてきた。     「本当に何でも聞いてくれるの!!」   ひのきは目を輝かせながら聞いてくる。     「あ、あぁ」     「じゃあデートしよデートっ! 遊園地でっ!」   デート?   何故に?   そして展開が早い……あ、こっちの話しだから気にしないで。     「いいけど……いつ?」     「明日っ!」   明日?   ちょっと待て。   いくら何でも明日はないだろ。   今何時だと思ってんだよ。   絶対に無理だろ。   金だって用意しなきゃいけないんだぜ?   それに明日は会長との約束があるし……     「ひのき、明日は流石に急過ぎるから、明後日か、来週にしないか?」   あえて、明日会長との約束があるとは言わない俺。     「む~仕方ないなぁ。明後日は私はお店の手伝いしなきゃいけないから、来週ね」     「了解」     「その代わり、一週間も待ってあげるんだから、お願い一つ追加ね」 わけわからん。 「なんだよ……」 一応聞いてやる俺って優しくね? 「きょ、今日……一緒にお風呂入ろ?」 「無理」 何を言うんだコイツは。 「じゃ、じゃあ……一緒に寝よ?」 「無理。俺の横は唯の特等席だ」 さっきからコイツは何を言ってんだよ。 あ、ちなみにひのきは俺と唯が一緒に寝てることは知っている。 「じゃあ、デートの時はずっと手繋いでよ……」 ひのきはしぶしぶと言った感じで了承してくれた。 「わかった引き受けましょう」 なんか形勢逆転してね? 「約束だからね? じゃあ、お腹空いたから下に降りようか」   ひのきがそう言ったので、俺達は部屋を出て、一階に向かった……          †      
/100ページ

最初のコメントを投稿しよう!