†第三報告書†

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    「あら、目が覚めたのね。おはよう」 …………。 ………………なんで? なんでいらっしゃるの? 「あら? もしかして、君って目を開けたまま寝るタイプの人だったのかしら?」 いや、俺は目を閉じて寝るタイプですし、そんな特殊な人間では一切ありません。 「寝てるならちょっと悪戯してみようかしら」 いや、会長。 なんでそんなものを持ってるんですか? マジックペンなんかを…… 「フフフ……まずは手始めにおでこに【肉】の文字を……」 「やめて下さいッ!」 この人……危険だ! 「あら、起きてたのね」 「起きてましたよ! 起きてましたとも! 驚きのあまり言葉に出来なかっただけですよッ!」 「そうなの? でも、あんまり大きい声は出さない方がいいんじゃないかしら? 妹さん起きちゃうよ?」 そう言われて横を見ると、唯が「う……うん」となんだか起きちゃいそうな雰囲気だった。 「ちょっと下に来てもらえますか?」 聞きたいことがたくさんあるんで。 「いいわよ」 そんなわけで、パジャマ姿の俺と、お出掛け衣装の会長は、一階に向かった。    † 「で、なんでいるんです?」 朝食を作らないわけにはいかないので、朝食を作りながら聞く。 「そんなに怒らないでよ。ただの三時間三十分前行動じゃない」 三時間三十分前行動はただでは出来ません。 「どうやって入ったんですか?」 俺、寝る前に必ず鍵チェックするんですけど…… 「ちゃんと玄関からちゃんと入ったわよ?」 「だからどうやって」 「この合い鍵を使って」 そう言って、ポケットから一つの鍵を取り出す会長。 「……何作っちゃってんですか」 「君の家の合い鍵」 知ってます。 わかってます。 見ればわかります。 「はぁ、あの~妹とか母さんが起きると大変なことになるんで、すみませんがもう一度、出直してもらえませんか?」 いきなり見知らぬ女性が俺といたら、特に母さんになに言われるかわからん。 「嫌よ。だって私、君のご飯を食べたいし」 「食べたら出ていくんですか?」 「そんなにカリカリしないで。一応、お母様に挨拶をしておかないとね」 何をだよ。 「やめて下さい」 「いいじゃない。近い将来の予行練習よ」 誰の将来ですか。  
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