†第三報告書†

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  「じゃあ、改めてやりましょうか」 よし、逃げる手段を考えよう。 まぁ冗談ではあるが、逃げたくなるほど嫌な予感しかしない。 そんな俺の気持ちなんぞつゆしらず、会長は箸の先っぽを握って、俺に差し出してきた。 「ほら夕緋君。好きなのを取って?」 好きなのと言っても、二つしかないんだけどね。 まぁそんなことは決して俺は声には出さず、とりあえず一つを選び、会長と一緒に引いた。 ……俺が引いた箸の先には【壱】と、何故かかっこよく書かれていた。 うん。 王様……いや、女王様は会長に決まった。 俺が残念な気持ちで会長を見て見ると、フフフと笑っていた。 その笑顔が可愛く思えたのは秘密だ。 「そういえば、こう言って、王様が誰か教えるのよね」 まぁ王様が会長なのは一目瞭然なんですけど。 「せーの、王様だ~れ!」 だから会長でしょ。 「あら? 夕緋君は王様じゃなかったの?」 だって会長が王様なんですから当たり前でしょ? わざわざ聞かなくていいです。 「残念ね。私が【王様】よ」 知ってますよ。 そんな可愛らしい笑顔で【王様】と書かれた箸を見せないで下さい。 憎みたいものも憎めなくなっちゃうじゃないですか…… 「じゃあ王様からの命令よ。夕緋君。君は私の膝を枕にして十分間眠りなさい」 ……………………はぁ? 何を言っているんだこの人は。 それは罰ゲームではなく、ただのご褒美です。 むしろしたいくらいの罰ですよ。 「あの~会長?」 「何かしら夕緋君」 「それは罰ゲームではなく、ただのご褒美です」 「王様の命令が聞けないのかしら?」 問答無用。 まぁ会長がそれでいいなら、俺はいいんですけど。 ハッ! これはまさかの羞恥プレイというやつか! …………なわけないよな。 だって、この部屋には俺と会長しかいないわけだし、確かに恥ずかしいが、大丈夫だ。 大丈夫だ。 つい二回も言ってしまった。 大丈夫だ。 …………………  
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