†第四報告書†

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  「泣かないで下さいよ、会長。ほら、まだ素材は残ってるんで、最後まで頑張りましょう?」 「でも……私また……」 「大丈夫です。俺が付いてますから」 「……うん」 そして、俺達は料理作りを再開した――    † 「う、美味い……」 料理作りを再開してから、二十数分後、奇跡が起きた。 俺はあの後、おふくろの味No.1にランクインした【肉じゃが】を、会長に教えた。 すると、あの会長が! あの会長が! あ、大事だから二回言ってみた。 一度も失敗することなく! 一度も焦がすことなく! 【肉じゃが】を完成させた。 しかも! 「俺が作るやつより美味い」 まるでプロの料理人が作ったみたいだ…… 「本当に……?」 「本当です! この肉じゃが目茶苦茶おいしいです!」 「やったーっ!!」 そう叫んで、会長は目を輝かせ、涙を零しながら抱き着いてきた。 「かっ、会長?」 会長が抱き着いてきたことで、自分の顔が急激に赤くなってきたのがわかった。 「ありがとう夕緋君っ !君のおかげよ! 本当にありがとうっ!」 会長の顔は、本当に嬉しそうだ。 そういえば、俺も初めて料理を作った時は、本当にうれしかったな…… 「いいえ、作ったのは会長なんですから、俺なんかに御礼なんて言わないで下さい。俺は作り方を教えただけ。ここまで作ったのは会長です」 俺がそう言うと、会長は首を横に振った。 「いいえ、君のおかげよ夕緋君。私、夕緋君がいたから頑張れたの。教えてくれる人が夕緋君じゃなかったら私……途中で諦めてたもの」 俺だったから……ね。 まぁこんな俺が会長の役にたてたんだからいいか。 「ねぇ夕緋君」 「なんですか?」 「I LOVE YOU」 会長は、笑顔でそう言った。 最初はドキッとしたが、会長には思いを寄せている人がいる。 きっと会長の冗談だ。 「ありがとうございます」 俺は笑顔でそう言った。    †  
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