朝は静かに…

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ーおはよ~! ーよっ! ーうい~す 挨拶しながら教室へ。 この時間だとだいたい遅刻生以外はもう来ている。 「おっはよ優!」 教室に入るなり、悪友の西沢明<にしざわあきら>がニヤニヤと近寄って来た。「…」 無視、完全無視。 「ゆうちゃ~ん」 バキッ! 「ごふ!」 「今すぐ黙るか僕に殴られるか…、選べ」 「殴ってる!殴ってる!!、いや、すいません何でも無いんで振りかぶらないで!!」 再び左を振りかぶった僕に慌てて首を振る。 チッ! 「舌打ちした!?あんた今舌打ちしたよな!?」 バキッ!! 「ごふ!?」 「さてと…授業、授業と」 とりあえず煩い奴<バカ>をその場に置いて机に向かう。 ちょうど先生も来た。 「よ~し、ホームルーム始めるぞ~」 「ぐぐえ!!」 入り口近くで倒れていた明をご丁寧に二度踏んで、やる気の無い先生こと五十嵐隼人<いがらしはやと>先生が教壇に立った。 「う~し、遅刻は西沢だけだな~」 「待てや!!あんた今踏んだろ!?、それをガン無視!? 教師としてどうよ!?」 教室内の生徒は慣れた物でそれを無視、何時もの事だ…。 「…西沢遅刻と…、連絡は無し、後…もうすぐ大会だから各自チームを組んで提出しに来いよ」 「まって!?居ます、居ますよ!?」 全員無視、完全無視。 「一年と組むのもいいが上位には特典もあるぞ、まあお前らは二回目だから大丈夫か…」 「いいんだ…どうせ俺なんて…」 五十嵐先生はプリントを配る。 「面倒だから先に注意な、基本的には3人以上、5人以下な、とりあえず政府公認だからってハメ外して暴れるなよ~」 面倒そうにそう言って教室内を見回した。 「連絡は以上、とりあえず適当に頑張ってくれ」 そう言って先生は教室を出ていった。 ……ちなみに明は何故か欠席になっていた。 「…呪ってやる」 明が爽やかな朝に不釣り合いなセリフを吐いていた。
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