35人が本棚に入れています
本棚に追加
/38ページ
真っ白な世界、…ただそこに声が聞こえる。
「終わる…」
世界は静かに言霊を紡いだ。
「一度は暁に沈んだこの世界」
言霊は響かない、何故なら、それ自身が世界に存在するから。
「未だ続く輪廻を、終焉へと紡ごう」
声に…、僅かに愉悦が混じった。
「ククク…、始まりは無く、終焉へと続く輪廻転生…」
声は次第に大きくなる…。
「アハハハハハ!!、神への供物が聖歌ならば、我への供物は…!」
堪えきれぬ愉悦はやがて世界を染める。ただ、今を包んだ現在は、決して戻らない。
…………………幸いは知らず過ぎ去り、不幸は降りかかった瞬間に恐怖へと繋がる…………、響かない世界は、未だ未来を見せてはくれなかった。
最初のコメントを投稿しよう!