余韻

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夜空いっぱいに広がるシトラスの 爽やかな甘酸っぱい香味と くっきりと夜空に映える青白い星達 澄みきった冷たい空気に散りばめられた ステンドグラスの欠片と はじける檸檬の絞り汁 それらに移る満点の星空が 激しく明滅し飛び散り落ちていく 深く満ちていく吐息は 限りなく憂いに包まれて 凍れる寒空に溶けていった 辺りには未だシトラスの香りの余韻が漂っている 歩いても歩いても果てしない夜空に 少しだけ哀しみを残して
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