本当のこと

20/46
前へ
/398ページ
次へ
「何それ……。相沢くんがあなたを好きなことなんて見てれば分かるでしょ!?」 頭に血が上る。そんな中で思い出すのは、あの日の涙。 ――『辛いし、悲しいよ……。当たり前だろ』 ――『朝奈が泣いてると思って。俺たちは同じだから……』 悔しい。あの涙に、嘘なんて一つもなかった。 ただ、佐倉さんへの「好き」の気持ちが溢れていて、悲しくて辛くてたまらなかった。 どうしてこの人は、そんなことも分からなかったんだろう。 どうして相沢くんを信じていなかったんだろう。 悔しくて、涙が止まらない。 頭がクラクラする。胸が痛くて、潰れそう。 「最低!」 それに、どうして…… 「なっ、何で要なの……!!」
/398ページ

最初のコメントを投稿しよう!

37106人が本棚に入れています
本棚に追加