本当のこと

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「ごめんなさ……っ」 なにそれ?じゃあ、要は初めから浮気なんかしてなかったってこと? ――『あたしのこと好き?』 ――『好きだよ。まゆり』 あの言葉に、嘘は一つも無かったの? どくん、どくん。 心臓の音がうるさい。頭がぐちゃぐちゃで、……どうしよう。 ――『あたしたちも浮気しちゃおっか』 あの日の自分が、脳裏に焼き付いた。 どうしよう。目を背けたのは、あたしが先だったんだ。 信じてなかったのは、あたしの方だったんだ。 要はずっと、あたしを想っていてくれたのに。 最低。 目の前にいる佐倉さんを責める資格なんて無い。 『本当に好かれてるか不安だった』 だってそれは……あたしのセリフ。 好きな人を信じられなかった。あたしも佐倉さんと同じだったんだ。
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