本当のこと

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「ありがとう」 「お礼を言うなら、佐倉とお前のクラスの男子に言っとけよ。保健室まで運んできてくれたんだから」 「うん……」 要はあたしの頭をクシャクシャと撫で、 「じゃあ帰るぞ」 と、笑った。 ベッドから起き上がり、教室から通学用バッグを取りに行くために保健室を出た。 「俺もついてこうか?」 「大丈夫、バッグ取ってくるだけだから。昇降口で待っててくれる?」 教室までの廊下を歩いていると、自分の教室だけが明かりが灯っていて、廊下まで光が漏れていた。 誰かがまだ教室に残ってるのかな?邪魔にならないように、バッグを取ったらすぐ出ていこう。 扉を開けると、すぐに一人の男子の後ろ姿が目に飛び込んだ。 後ろ姿でも、顔を見なくても、誰なのかはすぐに分かった。
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