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『2-2』。
教室の扉の上に、クラスを示すプレートが見えた。
二組は、要と佐倉さんのクラス。
そこからは微かに話し声が聞こえる。
内容までは分からない。
ずいぶん待たせちゃった。
でも、途中で帰らないで二人ともいてくれたんだ。
嬉しさで、フッと笑い声が漏れる。
教室へ近づこうと足を踏み出すと、制服の裾を何かに引かれた。
「朝奈、ちょっと……」
相沢くんが後ろから掴んでいたせいだった。
はっきりしない口振りで、うつむいている。
様子がおかしい。
なぜ態度がおかしいのかは分からない。
それでも、あたしに向かって何かを言いたげなのだけはよく伝わる。
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