35人が本棚に入れています
本棚に追加
「やぁ、皆さんはじめまして。僕の名前は白銀 光(しろがね あきら)です。今は国立魔法学園高校『アルトマス』の入学式に向かっている所です」
「なぁ、アキラのこの寝ぼけ癖治んないのか?」
「さぁ?特に害は無いのでこのままでも良いと思いますけど…」
「我は楽しいから構わん」
「いいじゃない、この時のアキは可愛いんだから」
五人の男女が仲良く通学路を歩いているがその会話がどこか変である。
「世界観は現代日本と同じと考えてください。ですが、人間以外にも龍人や獣人等が居ますし、魔法と科学が程良く混ざり合ったある意味理想的な世界です」
「…おい、マジで変な事言い始めたぞ?」
「ならば起こせば良かろう?」
「命令すんじゃねぇよ!ボケ龍!」
「そう怒鳴るな単細胞」
パシャ
「…保存っと、起こして良いわよ」
「起きてる時もそのくらいが出来ないのですか?」
「なんか照れるじゃない…」
「かつての世界大戦終結後、日本は王政になり、その初代国王に僕の兄『白銀 蒼士(あおし)』が就任し、そして魔法を正しく知って貰おうとアルトマスを作りました。つまり学園長でもあるんです」
人間の少年、光は寝ぼけて歩きながら誰かに説明する様に喋り、ホワイトタイガーの『ガイ』と青龍の『フェイ』はお互いを罵倒しあい、人魚の『アメリア』は火の鳥の『マナ』の光ノロケを聞かされていると言う何ともまとまりの無い集団は同じ入学生達に遠巻きに変な目を向けられていた。
そうして高校が見えてくるとようやくマナのノロケが納まりアメリアが光を起こすに至った。
「さっ、光さん起きてください。高校に着きましたよ」
「ふい、あっ?ん~…っは。…おはようございますアメリアさん」
「はい、おはようございます光さん。そろそろあの二人を止めてくれますか?」
起こされて早々に光はフェイとガイの口喧嘩の仲裁を頼まれるがいつもの事なのか「やれやれ」と言った感じで了承していた。
最初のコメントを投稿しよう!