35人が本棚に入れています
本棚に追加
割り振られた順番通りに一人ずつ前に出て自己紹介をしていく。
そして順番は回り、光達の番になった。
まず、褐色の肌に白髪、鋭い目つきの中に輝く金色の瞳の体格の良い少年が出る。
「獣王族『虎牙(こが)』の嫡男ホワイトタイガーのガイ。得意魔法は土、他には風も得意だ。武闘派だから強い奴は是非組み手をしてくれ」
ガイが自己紹介を終えたと思った生徒達は拍手をするがそれを見たガイはニヤリと笑うと再び口を開く。
「それと俺はワールドエッグ(新世界の可能性)に所属してるからヨロシク!」
それを聞いた生徒達は不思議そうにするが、ガイがすでに席に戻り、次の少女が前に出始めていたのでその話は一旦保留にされた。
ただ光だけは苦い顔をしていた。
そして、出て来たのは白磁の肌に赤色の瞳と髪、スレンダーで美しい少女だった。
「鳳凰の娘、下位神・火の鳥、マナ。名前から解る通り得意魔法は火よ。特技は飛翔魔法、私もワールドエッグに所属してるわ。皆さん宜しく」
拍手をしながら生徒達は思った。
(だからワールドエッグって何だ?何の集まりだ)
だが楽しそうに笑うだけでマナも詳しくは教えない。
そんな疑問の中、空色の長髪と青と黄色の瞳の精悍な顔付きの少年が堂々と出て来る。
「東洋龍族の皇子フェイ。位は青龍、龍族故に風や水が得意と思われそうだが、我はその上の『雷』を得意魔法としておる」
『雷』と聞いた瞬間大半の生徒がざわつく。
基本とされる魔法特性は四つ『火』『水』『風』『土』。
これの他に中位神以上では『光』、魔族の中でも上級魔族は『闇』を使う事は知られていたが龍族が『雷』と言う属性を持っている事は余り知られていなかったので驚かれたのだ。
「魔法を学ぶ学園の、同じ教室で学ぶ学友なのだから秘密にするのは悪かろう?故に偽(いつわ)らず話した。皆の者、これから共に勉学に励もう。
それと我は各部族の集まりたるワールドエッグのサブリーダーも勤めているので承知しておいてくれ」
その時になって理解を示しだす生徒達が現れるが、一つ疑問が残っている。
それは「誰がリーダーなのか?」と 言う事だ。
そして、そんな状況でアメリアが前に出る。
今さっきのフェイの説明を聞いた後でもあり否が応でも生徒達の視線は熱くなった。
最初のコメントを投稿しよう!