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俺は優しく諭すように、心の頭に手を置きながら答える。
「大丈夫。俺の友達だから」
「う…ん……」
ゆっくりと飲み込むように返事をして、黙ったままの黒坂をじっと見つめた。
「心、ちょっと出かけようか?
コンビニへ行ってお菓子買ってやるからな」
肩に手をあて、部屋を出るよう促す。
が、心は立ち止まったまま黒坂に目をやっていた。
「白山なら大丈夫。留守番してくれるから。なっ?」
「ん……は!?何か言ったか?」
「心とちょっとコンビニ行くから留守番頼むって話」
「あぁー…分かった。なら、オレにサイダー買ってきて」
やっと体を向けて、目が合った。
「じゃ行くぞ」
「うんっ!」
元気良く答え、我先にと部屋を飛び出していく心。
「黒坂…あとで聞きたいことがある」
「オレもだ。けど今は早く行ってこい」
心の後を追いかけるように部屋を後にした。
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