~曇りのち曇り~

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私は泣きながら痛みと恥ずかしさに耐えた。 その人の葬式を想像したり他の事を考えて、暴力にも耐えた。時には残酷な事、時にはこの状況から救ってくれる人を想像して。 連日繰り広げられる ストレス発散の悪夢の夕食の時間は、お客様が来ても変わらない。 酔った馬鹿力で泣きわめく私を押さえ付け、下着姿にさせ、バスタオルでオムツ替えの真似もされた。 驚いてやめさせ様としたお客様に、鬼の形相で制止し続きを見ろと怒鳴る。 姉は二階に逃げ、母は台所に逃げる。 私は舌を噛み切ってみたけれど、しゃくりあげて居て、上手く歯に力が入らず、舌の両端をざっくり切っただけで、台フキンを巻いたスプーンを噛まされて、その後は気絶するまで殴られた。 誰かが止めに入れば家族が身代わりになる、そう思って、助けを呼ぶ事は諦めて居た。
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