第四章

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しかし祠神もぴったりとくっついている。 あんな重そうなものを持ってよくそんな動きが出来るものだ。 シェイドハイダーは振り切るのが不可能と察したのか、方向転換して祠神に向かっていった。 祠神は向かってくる敵に対して刀を振り下ろす。 ドカッ、という大きな音がして敵が吹き飛ぶ。 遠くに投げ出された敵はそのまま動かなくなった。 祠神がゆっくりと近づき札を取り出す。 これからあいつを浄化するのだろう。 しかしその瞬間、倒れていたシェイドハイダーが急に起き上がった。 動けないふりをしていたのだった。 そいつは急に走りだし、祠神には目もくれず、一直線に俺の方へ来た。 避けなくちゃならない、頭ではそれをわかっていたが、体が反応しない。 そうしている間にも向こうはどんどん迫ってくる。 しかし体は動かない。 気が付くと、すぐ目の前に牙があった。 俺は思わず目を瞑った。 目を開けると、いつかのように祠神が敵の攻撃を防いでいた。 しかしこの間と違ったのは、敵の攻撃を受け止めているのが、祠神の左腕ということだった…。
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