第四章

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「大丈夫、黒木君?顔が真っ青よ」 祠神が平然と俺に話し掛ける。 「おい祠神…、その腕…」 「あぁ、これ。大したことないわ。それ今はこれに食い付いているこいつをなんとかしないと」 そう言うと祠神は、剣を取出し、シェイドハイダーの首を切った。 そして札を取出して、 「我求めるは浄化の力。我願うは邪気の消滅。聖なる力で邪を祓え」 と言った。 するてそのまま、シェイドハイダーを消え失せた。 「さてと、今度はこっちね」 そう言う祠神の左腕はおもいっきり噛み付かれたらしく、あり得ない感じに曲がっていた。 「治るのか?…それ」 「まぁ、見てなさい」 祠神は札を取出した。 どうやらこれを使って治すようだ。 「我求めるは癒しの力。それを叶えるは神の癒し。あらゆる負傷を取り除け」 祠神がそう言うと左腕はまるで何もなかったかのように復活した。 「服が破けたのはしょうがないわね。じゃあ終わったし帰りましょうか」 そのまま祠神は歩き出した。 「おい、祠神」 「何?」 「悪い、俺のせいで…その…」 「別にいいわよ。怪我は治したし、服はまた買えるしね」 「でも、…」 「申し訳ないと思うなら、早く私を助けられるくらい強くなってちょうだい」 「努力する」 「期待してるわよ。じゃあね」 微笑を浮かべながら、祠神は行ってしまった。 「強くなってやろうじゃねぇか」 俺はそう呟いて、神社を後にした。
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