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「ごちそうさま。」
「はい、お粗末さまでした」
食べ終わった僕は、ちゃかちゃかとお皿を片付ける
朝ごはんを作らなかった方が片付ける。
それは、僕達のローカルルールだ
二枚しかないお皿と、四本のお箸を手早く洗って終わり
制服に飛んでしまった泡を拭い、自分の姿を確認する
「顔洗って、歯磨かなきゃね。」
「うん」
二人して、脱衣所の洗面台へ向かう
僕達の日課。毎日こんな新婚のような事を繰り返している
真っ白い洗面台の、歯ブラシ立てには、これまた新婚のように、仲良く歯ブラシが二本並んでいる
「時間は余裕だね。」
「うん。ゆっくり歩いていこうよ」
歯ブラシをくわえて、歯を磨きながら僕は瑞姫の顔を見る
大きな凛とした目、ツンとした鼻柱、小さな口、細い輪郭
どこを取っても、美少女としか言いようのない顔立ちは、いつ見ても目の保養になる
そんな女の子が、目の前でこんなに無防備なのは、幼なじみの役得だ
「さ、マオちゃん。顔洗ったら来てね
先に戸締まりしてくるよ」
顔をあまりマジマジ見られるのが嫌だったのか
歯を磨くのも早々に、瑞姫は脱衣所を出て行った
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