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ぐちゅぐちゅ、ぺーっと
口を濯いで、使い終えた歯ブラシを洗って、元のコップに立てる
流しっぱなしの水で顔を洗い、タオルで拭う
瑞姫がきちんと取り替えてくれたらしく、洗剤の匂いがする
「マオちゃん、戸締まり終わったよ!」
「はいはい。今行くよ」
玄関あたりから、瑞姫の声がする
その声に急かされながらも、一応身嗜みは忘れないでおく
大きな鏡を見ながら、寝癖を宥めて、乱れた衿を直して
これで、登校準備は完了だろう
「マオちゃーん!」
「今行くってば!ちょっとは待てないかなぁ……」
急ぎ足で玄関に向かうと、そこには二人分の鞄を持った瑞姫
戸締まりついでに取ってきてくれたらしい
その心遣いに感謝する
「早く行こうよ、マオちゃん!
ほらほら、出るの。急ぐのっ!」
靴も履きかけの僕を、外に押しやり、瑞姫は玄関の鍵を閉じる
「はい。終わり!
靴、履けたかな?」
「今履いたとこ。」
「じゃあ、行こう!楽しい一日になるといいね」
そうやって、毎朝のアルゴリズムも完成して
いつものような一日は始まった。
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