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それが、運悪く生徒指導の耳についたらしい
ギロリと、無駄に強い眼光が光る
「なんだ、先生が松葉杖ついてるのがそんなに可笑しいか!!」
こっちを見た生徒指導。
しかし、なぜか一瞬で固まってしまった
眉ひとつ、ピクリとも動かないのは見事なもので
その視線の先は、瑞姫
「先生、ごめんなさい。あたしが笑わせたんです
足、お大事になさって下さいね?」
瑞姫は罪を被って、先生に頭を下げる
優等生な瑞姫には、さすがの生徒指導も言い掛かりはつけられまい
瑞姫の事なのに、僕が誇らしくなりながら、生徒の横を通りすぎ
校舎へと向かって歩いてゆく僕達
「生徒指導も、優等生の瑞姫には文句つけられないね」
「優等生じゃないよ、マオちゃん。
悪い子だよ、不良だよ?……ほんとだからね」
「はいはい。瑞姫に限ってそんな事はないよ」
真面目な顔で言ってくる瑞姫をあしらって
僕は下駄箱から上履きを取り出す
そのお隣りらへんで瑞姫も上履きを取り出す
いつもながら、瑞姫の下駄箱には
「また不幸の手紙だよぉ…………」
不幸の手紙という名前の、ラブレター
中身を見たことはないが、このシチュエーション。
ラブレター以外に何がある
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