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相変わらずの薄着のまま、ベンチに座っていた君を見たとき、僕はただ嬉しかった。
あれから君が何をしていたか知らなくて、君もきっと僕が何をしていたかなんて知るはずもない。
覚えているよりも、髪が長くなっている。
少し痩せたのかな。
そんな事を考えながらも、声をかけれずにいた。
人込みに姿を隠すように、君の姿をまた遠くから見つめていた。
ふいに空から白いものが舞い降りる。
今年初めての雪だ。
早くいかなきゃ、あまり丈夫とはいえない君の体に負担がかかる。
思っているのに、もう2時間足が動かない。
あれだけ後悔した去年を忘れるはずなどないのに。
一歩たりとも、僕は動けなかったんだ。
怖くて…君の他人のような微笑みだけには会いたくない。
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