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ずっと前を見つめていた君がうつむいた。
数分後、前を再び見た君の瞳は赤く染まっていた。
携帯を取り出した君は、誰かに電話をかけ始める。
行き交う人の多い中、君の唇を見つめ続けて、1つだけ言葉を拾った。
『ダメだったよ』
何でその言葉に気付いたのに、僕は動けなかったのか。
いつから僕は、そこまで臆病になっていたのだろう。
こんなに好きなのに…
まだずっと好きなのに。
君は待ってくれているのに。
降り続ける雪の中、君の姿は消えていく。
追いかけたい。
動けない。
無力さを知った、2年目のクリスマス。
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