2/3
前へ
/19ページ
次へ
もう来ないと思っていながらも、足は自然に向かっていく。 年を追うごとに少なくなる、プラネタリウムの周囲の人々。 新しいスポットなど、山ほどある。 どうしてこの場所に、あれほど固執したのかよく思い出せない。 いつものベンチの側にいく。 遠くから見ているから動けないんだ。 それなら来る前に、君をここで待てばいい。 そう思って向かったベンチに、君はいなかった。 約束の時間から15分を過ぎ、僕は周りの少ない人々の視線にすら耐えれずにその場を離れる。 安心か、不安か…それとも別の何かなのか。 大きなため息をつき、歩く僕。 そのまま帰ればいいものの、往生際悪く振り返ってしまう。 そして見てしまった。 息を切らしてベンチに座った君の姿を。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加