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もう来ないと思っていながらも、足は自然に向かっていく。
年を追うごとに少なくなる、プラネタリウムの周囲の人々。
新しいスポットなど、山ほどある。
どうしてこの場所に、あれほど固執したのかよく思い出せない。
いつものベンチの側にいく。
遠くから見ているから動けないんだ。
それなら来る前に、君をここで待てばいい。
そう思って向かったベンチに、君はいなかった。
約束の時間から15分を過ぎ、僕は周りの少ない人々の視線にすら耐えれずにその場を離れる。
安心か、不安か…それとも別の何かなのか。
大きなため息をつき、歩く僕。
そのまま帰ればいいものの、往生際悪く振り返ってしまう。
そして見てしまった。
息を切らしてベンチに座った君の姿を。
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