【プロローグ】

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 HR前でまだ席を立っている者も多い中、窓際の自分の席に座ってボンヤリと外を眺める。  ふと、自分がこの町に来た経緯を思い出す。  母と妹が父に殺され、その父も自殺し一人残された俺はある孤児院に引き取られた。  そこで美里と出会い、そして……  夢を見た。  碧い龍の出てくる夢。  そして珠を貰った。ビー玉ほどの小さく透き通った珠だ。  それは『半熟の珠』と名付けられ、今も持っている。  碧、翠、黄、桃、黒、白、橙。そして、紅。  この珠が八つ揃った時、俺らは世界を守る力を手に入れることができる――らしい――。  実際、何が何で何なのかよくわからない。何から世界を守るのか、どんな力なのか……。
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