14694人が本棚に入れています
本棚に追加
まずは肩胛骨あたりまで伸ばしてる髪を、コテを使ってクリクリ巻いていく。
いつ以来だろう。
こんなに気合い入れてオシャレするなんて。
ムースで一旦整えて、サイドの髪を後ろでまとめてユルユルのオダンゴにした。
鏡に写る姿を見ても、虚しい気持ちがせり上がるだけで、全くもって気に入らない。
この髪型はアイツの好みだわ。
まだ引きずってんだな、私。
まとめた髪をグシャグシャと崩した。
…………。
黙々と作業に没頭するも、結局さっきのオダンゴをサイドに持ってきたので落ち着いた。
「あ~あ。髪……切ろうかな」
失恋したら髪型を変えるという行為は、あながち無意味な事でもないんだな。
そう実感するには十分な程の衝撃に私は一人納得していた。
.
最初のコメントを投稿しよう!