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ザァ――――
そらからおちてくるあめがじめんにたおれこんだボクをたたく。
ものごころついたときからボクはひとりで、いままでずっとひとりでいきてきた。
おかねなんて、もってない。
だから、たべものとかはぬすんでた。
そうしないと、いきていけなかったから。
なんでかはわからないけど、ボクはちからがつよかったし、それなりにあしもはやかった。
だからいままでぬすんでるのがばれてもにげられてたんだ。
でもきょうはゆだんして、ないふでせなかをきりつけられた。
「ったくよぉ、なんでこんなカスが生きてんだ。いいか小僧、テメェはカスなんだよ。生きてる価値なんか、ねぇんだよ!!」
そういって、ボクのせなかをきりつけたおとこはなかまといっしょにボクをなぐって、けってきた。
せなかのきずがいたくて、あつくて。
なぐられたり、けられたばしょもいたかった。
でも、なんでかはんこうしようとはおもわなかったんだ。
ちがたくさんながれて、だんだんまわりがみえなくなってく。
きづいたら、おとことなかまはいなくなってた。
だけどうごけなかった。
ゆびをすこしうごかすだけでもからだにいたみがはしって、こえさえだせなかった。
ボクハコノママシヌノカナ?
そんなかんがえがよぎったけど、べつにそれでもいいっておもった。
ちはたくさんながれてるし、ボクのからだはぼろぼろだし。
ボクみたいなこじをたすけてくれるひとなんているはずがない。
あのおとこがいっていたように、ボクにはいきるかちなんてないんだ。
モウ、ドウデモイイ…
からだからちからをぬくと、ボクのまぶたはゆっくりととじていった。
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