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あめのふるおとがきこえる。
でも、あめはボクをたたいてない。
ボクハイキテルノ……?
ゆっくりとまぶたをひらく。
それだけなのに、すごくたいへんなさぎょうみたいだった。
ボクのめにとびこんできたのはいしだたみでも、くもりぞらでもなくて……みおぼえのない、きのてんじょう。
「ここ、は……どこ……?」
ひどくかすれててかぼそかったけど、どうにかこえはだせた。
どうせこたえなんてかえってこない。
そう、おもってたのに……。
「目が覚めたのですね。ここは街にある宿屋の一室ですよ」
へんじが、あった。
こえのするほうにかおをむけようとしたけど、うごかそうとしたとたん、またからだにいたみがはしった。
ボクがちいさくうめきごえをあげると、たぶんこえをかけてきたひとだとおもうおとこがちかづいてきて、ボクのしかいにはいった。
きれいなみどりと、あおと、みどりだった。
「暫く体は動かさない方が良いですよ。背中の傷は塞ぎましたが、まだ何ヵ所かは骨折したままですから」
はじめてかけられた、しんぱいそうなこえ。
なんでだろう。
すごく、なきたくなった。
いままでいちどもないたことなんてなかったのに……。
そのおとこのひとはおだやかにほほえむと、ボクのあたまをなでてくれた。
「ふ……ぅ、ぁ……っ」
はじめてながしたなみだは、しょっぱかった。
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