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「めぐる」
僕も
彼女の名前を呼んでみた。
またこの名前を呼ぶことになるとは。
いつ振りだろうか。
いや思い出したくない。
あんな日の事...
あんな...
あんなに苦しんだ日の事なんか
もう忘れたいんだ。
『久しぶりね』
彼女がまた口を開いた。
『元気にしてた?』
お前のせいで
僕はひどく傷ついた。
なのにのんきに
元気にしてた?だと?
お前に振られてから僕は...!!
なんて
言えるはずもなく...
「まぁ」
と
怒りを圧し殺したせいで
素っ気ない返事になってしまった。
彼女─めぐるは
僕の恋人
だった。
短い付き合いだったけど
あのたった5ヶ月の間
僕は本当に彼女を愛してた。
もちろん
彼女も僕を愛してくれてた。
途中までは。
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