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………トントンと誰かが優しく俺を叩く。
薄い意識の中俺はそれに気付き目をやる。
「朝ですよ?準様?」
目の先には澪さんがいた、俺が起きた事に気付いたのかお辞儀をして部屋を出て行った。
朝…か…なんだか、昨日の事はよく覚えていない。
俺は重たい体を起こし着替えをする。
きっと、この制服は澪さんが用意してくれた物だろう。
着替えが終わり部屋を出ようとした時事は起きた。
「ちょっと、なんであんたが、学校の制服なんて着てんのよ!?」
「なんですの??そんなに私に準をとられる事を恐れているんですの?もはや、勝負はついてると言うのに。」
またまた、喧嘩だ。
とりあえず、面倒なので素通りすることにした。
「準どこに行くんですの!?」
と、どたばたお嬢様のお出ましだ。
気配を最小限に縮めたはずなのだが…
「学校…。」
俺はできるだけ何食わぬ顔をして言った。
「!」
七海は、はっと、目を見開き、ポケットからやたらと派手な携帯を取り出し時計を見ている様だ。
「無駄な時間を過ごしてしまいましたわ……」
七海は少々焦りを見せながらも冷静に…
「行きますわよ。」
スタスタと歩き始めた。
俺達はただそれに合わせ後を追ったその途中
「ねぇ、準ちゃん…今日…話しがあるの。」
恵美がなにかしら思い詰めた様に耳打ちをしてきた。
「え??」
俺は余りの唐突さに唖然とした。
「今日の昼休み…屋上で待ってるから。」
そう恵美は言い残し、七海の後を付けて行った。
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