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次の日、ボクは表紙にでかでかと恋愛小説と書いたノートを学校へと持ち込んでいた。
まだ誰も来ていない教室でノートを取り出し、まじまじと見つめる。
昨日のボクはどうかしていた。
どうしてこんなに大きく書いてしまったのか。
こんなものを誰かに見られたら恥ずかしくって死んでしまうかもしれない。
……
まあ、いいや。
幸い、未だ教室には誰も入って来ない。
朝に思い付いた物語の続きを書こう。
ボクはノートを開き、ペンを走らせる。
昨日は3ページ程書いて止まってしまった。
主人公の二人をどうやって巡り会わせるかで詰まってしまったのだ。
でも、それも今朝解決した。
ボクの手は淀みなく動き続け、早くもページの半分程を埋めたとき、
「おっはよーっす」
なんて馬鹿が馬鹿みたいな挨拶をしながら馬鹿面さげて教室へと入ってきた。
「……っ!!」
ボクは咄嗟にノートを閉じる。
慌てたせいで、バシンッと大きな音がなった。
「なっ……なんだ?」
うろたえて此方を見るコイツはボクの幼なじみ。
なんでコイツがこんなに早く登校して……ああ、くそ。部活か……。
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