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「……今の音、お前か?」
恐る恐る訊いてくる。
「……ちっ」
「ちょっ、舌打ちすんなよ」
「五月蠅い馬鹿」
脱力しながら近付いてくる姿に言葉を放る。
「バカって……相変わらず口悪いな~」
「お前は顔が悪いな」
「ほっとけ」
「ならお前もボクの事は放っておけよ」
「どーゆーリクツだ、それは……なに書いてんだ?恋愛小説?」
「んなっ……!?」
しまったっ!!
「お前、そんなの書いてんのか?」
「違う!これはっ……ひ、拾ったんだ!!」
「はあ?拾った?」
「そ、そうだ。朝道の真ん中に落ちていてそれでっ……!!」
「ふうん……まあいいけど。……ん?じゃあこれはお前のじゃないのか?」
ヒョイとボクの手元からノートを取りあげる。
「あ、ああ。全然ボクのじゃないぞ」
「いや、別にそこまで否定しなくても解ったって」
「う、五月蠅い!!」
「お?なんだ、途中まで書いてあるじゃん」
「最初の方だけだけどな」
「ふうん……」
パラパラとページを捲る。
ボクの書いた物が読まれている……
「なあ……これ、お前のじゃないんならもらってもいいか?」
「え……ええ?」
何を言い出すんだコイツは……
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