リレー

ﾌﾟﾛﾛｰｸﾞ×所謂、全ての始まり

｢ちょっと面白いこと考えた｣

ニヤリと笑う。

｢い、いや、でもほら、本当の持ち主に返さなきゃいけないし……｣

｢名前が書いてあるワケでもってないし、道で拾ったんだろう？本当の持ち主なんか見つかんないだろ｣

｢で、でもまだ沢山ページ余ってるし……｣

｢だから、だよ｣

だから？

｢……何をするつもりなんだ……？｣

ニヤリ、とまたしても笑う。

ああ、見たことあるぞ……その顔。

何かよからぬ事を考えている顔だ。

ボクが嫌な予感におののいていると、コイツは嬉しそうに口を開いた。

｢――リレー小説――｣

……なんだそりゃ……

結局、ノートは取り返せなかった。