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弟からノートを渡された。
なんだこれはと言う私の問に、ヤツは「リレー小説。姉貴よろしく」なんて宣って下さりやがった。
私はそれどころじゃないと言うのに……
「キョウちゃん聞いてる!?」
「ああ、聞いてるわよ」
ここは私の通う大学の近くにあるカフェの中。
私はうんざりとしていた。
「ウソだ、聞いてなかった!」
「聞いてるってば。彼が浮気してたんでしょ?」
「そうなの!結婚しようねって言ってたのに!!もう絶対に別れるんだからぁ!!」
ほんっとう、面倒臭い。
今私の前でぎゃあぎゃあ騒いでるのは同じ大学で同じゼミを取ってたってだけの知人。
正直大して仲が良かった覚えもなければ、名乗りあった覚えすらなかった。
誰だ、コイツに私のアドレス教えたヤツは……
「そうだね。じゃあ別れちゃえばいいじゃん」
「それは……ほら、結婚の約束までしたんだし……」
もう何だよコイツ。
「どんなに裏切られても愛してるっていうか……」
スイーツ脳が。
チラリと、時計を見る。
そろそろ、か……
「じゃあ別れなきゃいいんじゃない?私これから用事あるからもう行くね」
有無を言わさず立ち上がり、伝票を持って立ち去る私はお人好しなのか……
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